あの日の教室からの脱出

※会場は【金沢杜の里店】となります(金沢本店という別店舗がございますので、お間違えのないようご注意ください)

※この公演は、内容の性質上、第8公演(夜の部)がございません。何卒ご了承ください。


【ストーリー】

平成11年。当時高校生だった、あの日のことを思い出す。

担任の野口先生が事故で亡くなった。副担任の先生が、突然僕たちにそう告げたのだった。
野口先生は、下校時間になっても、生徒が教室に残っていると、締め出すぞと言って、本当に鍵をかけてしまうような人だった。だけど、室内にひらめきクイズを散りばめて、解けたら出してやるなんて、ゲームみたいにして楽しませてくれたっけ。あれも、僕たちの学力向上のためにやってくれていたんだと、今になって思う。

あれから20年以上の時が経った。社会のストレスに追われる日々の中で、ふと、あのゲームのことを思い出す。あの頃は楽しかったな。ずっと高校生だったらよかったのに。
そうつぶやいて顔を上げると、見覚えのある教室にいた。黒板、壁の落書き。クラスで飼っていた鳥、窓から見える景色にいたるまで、あの頃のままだ。
「おーい、まだ残ってるのか」廊下の方から、野口先生の声が聞こえた。
「やれやれ。社会に出ても、お前はまだ気持ちが過去に残ってるみたいだな。そんなことじゃ前に進めないぞ。よーし、おしおきだ。謎を解いて、未来へ向けて脱出してみろ」



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